mobile phone for Panasonic (2003)

不完全ゆえの美

ハイエンド・ユースの為の携帯端末デザインを依頼された。 そこで、今の世の中で本当に「価値あるモノとは何か?」を先ず深く考えることにした。工業デザインが生まれた当時、「価値ある」 ことは百万個の製品が同等の品質を持つことであった。しかし、現在は異なる。例えば、どんなに高価なモノを持っていたとしても、 それが大量生産品である限りは、 それと同じモノを他人も所有していることになる。さらに言えば、陶芸家の焼いた一つ一つ異なる歪な茶碗(不完全)が全く歪みの無い工場で生まれた茶碗(完全)とは比べられない程の価値を持つのだ。そこで、携帯端末と言う大量生産品の上に一品生産品のテイストを表現する為、部品を直にネジ留めし、さらに、一本一本が異なるヴィンテージ・ジーンズのように、美しい携帯端末表面をあえて酸で腐食させ、一つ一つ異なる「不完全ゆえの美」を表現した。それでこそ、唯一無二の真に価値あるモノとなるのだ。

USB flash drive for SOLID ALLIANCE (2006)

無駄なことの価値

「USBメモリに大切な思い出をずっと残しておけますか?」
USBメモリは主に誰かに写真やデーターを渡す時、 一時的に用いるだけで、すぐに消去する使い方をされています。安く、薄く、小さく、軽く、手軽なことが爆発的な販売数を生んだ理由であり、また、それ故、手荒に扱われているのも事実です。つまり、写真(思い出)も手荒に扱われているように感じます。人生には絶対に忘れられない思い出がいくつかあります。例えば、結婚式や子供の誕生です。その大切な思い出をすぐに消去するような使い方、或いは、 誰もが持っている樹脂製のチープなUSBメモリやCD/DVDの中に残したいのでしょうか?大事な思い出、どうでもいい思い出、思い出は決して均等ではない筈です。それが出発点となり、このデザインが生まれました。 本物の素材を使い、 高価であり、大きくて重く、使用が面倒であり、それ故、 丁寧に扱われるモノを目指したのです。 パズル型のUSBメモリ。 中心に納められたメモリ部は、キューブ型のパズルを崩さない限り取り出せません。 大切な思い出を保存したら組み直す、既存のUSBメモリの使用時の手軽さとは全く正反対の、この「手間暇掛ける行為」により、本当に大切な思い出の価値を表現しました。本提案は外観をデザインしたのではなく、行為をデザインしたと言えます。design by Toshiki Satoji with Katsuya Masaki

scanner for FUJITSU / PFU (2008)

Icon

ScanSnapシリーズ・フラッグシップモデルのデザイン開発。
ビジネスシーンにおいて、 大量のスキャンを行うユーザーを対象としたADF (オートドキュメントフィーダー)スキャナ。 ADFスキャナとインクジェット・プリンターの外観は非常に良く似ている。そこで、ユーザーが一目見て、プリンターと差別化出来るスタイリングを求めることにした。プリンターはデータを紙上に「排出」し、スキャナは紙上のデータを「吸入」する。それを特徴化(アイコン化)しスタイリングすれば、プリンターの上面図は『凸型』すなわち、本体下部の排紙口が大きくなる。それと異なり、スキャナの上面図は『凹型』すなわち、 本体上部の給紙口が大きくなる。結果、 束になった書類を一瞬で飲み込むイメージを持つよう給紙口を大きく広げた。さらに、そのことを強調する為、給紙口部分に本体色とは正反対の黒色を用いたデザインを施し、プリンターとの差別化を図った。design by Toshiki Satoji with Alvise Gangarossa

computer for FUJITSU (2005)

カモフラージュ

仕事で長時間PCを使用していると、自宅ではなるべくPCを見たくはない。しかし、現在のPCは、何でも出来てしまう。例えば、音楽を聴く。映画やTVYoutubeなどの動画を見る。 メールやSkypeでコミュニケーションする。ネットでショッピングする。 つまり、PCはプライベートでも無くてはならない存在となってしまった。そこで本提案は、従来のPCと異なり、一目見ただけではPCとは解らないような新しいスタイルの創造を心掛けた。 (そうすれば、ユーザーにPCを使用しているというストレスを与えない) それはまるで、森の中で木の葉に成りすまし、そっと身を隠す虫と同様に、室内に深く溶け込み、他のモノに成りすますインテリア性の高いSide Table/PCの提案である。designed by Toshiki Satoji with Katsuya Masaki

wifi mobile scanner for FUJITSU / PFU (2013)

Everywhere

世界最軽量のコンパクトボディーに内蔵バッテリーとWi-Fiを搭載し、パソコンはもちろんスマートフォンやタブレットにコードレスで接続出来る本格的なモバイルスキャナです。身の周りの書類、名刺、写真などを外出先やオフィスはもとより、リビングや書斎など様々な場所に持ち運んでクラウドサービス等を使用し自由に使うことが可能です。design by Toshiki Satoji with Takashi Kirimoto

wifi scanner for FUJITSU / PFU (2011)

機械とデジタル

本機は前機種SnanSnap S1500のフルモデルチェンジであり、本体に内蔵されたWi-Fi接続機能により、スマートフォン/タブレットからスキャン物の読み取りが出来る。 本機にとってWi-Fi機能は大きな付加価値であり(業界初)それをどういう具合にデザイン上に取り入れるのかが最重要課題と考えた。例えば、映画「ターミネーター」を思い出して欲しい。第一作目では筋骨隆々のターミネーターが主人公に襲いかかる。第二作目では一作目で敵であった筋骨隆々のターミネーターが主人公の味方となり、新型ターミネーターと戦うというストーリーだ。その中で新型は線が細いにもかかわらず、筋骨隆々の旧型より圧倒的に強い(性能が高い)その姿はまるで、機械的なブルドーザーと進化したデジタル的なモノとの戦いのように感じた。それがヒントとなり、旧型で機械的なScanSnap S1500と異なり、圧倒的に性能が向上した新型ScanSnap iX500の操作面にはデジタル風な要素を取り入れることにした。 また、本体色のブラックは我々の調査の結果によるものであり、本機が使用されるであろうオフィス内/家庭内共々、前機種の年代とは異なり、色の濃い製品カラーのモノが溢れてきたことによる。前機種のコンセプト同様、本機をその中に紛れ込ませる(カモフラージュする)ことを目的とした。design by Toshiki Satoji with Alvise Gangarossa

soho projector for EPSON (2004)

使用書を本体に

小規模オフィスで、さらには、自宅に持ち帰って使用する日本人をターゲットとしたSOHO用のビデオ・プロジェクター( DVD、スピーカー搭載 )。仕事のプレゼンテーション風景、そして、自宅でのDVD使用(映画鑑賞)状況を調査した結果、 仕事では、プレゼンテーションを行う人間はプロジェクターの側面に座り、接続したPCを操作し、 プレゼンテーションを見る人間は投影画面が正面に来るように、 つまり、プロジェクターの背面に座ることが殆どだということが解った。自宅ではと言うと、仕事の際のプレゼンテーションを見る人間と同位置でソファに座り映画を観るという結果が得られた。本提案では、その調査結果の内容を外観形状上に忠実に表現することに努めた。先ずは、本体の上面部分を45度の直線を使い二つに分けた。 その二つに分けた部分に、仕事で頻繁に使うインターフェースとプライベートで良く使うインターフェースを明確に分けて配置したのだ。そして、プライベートの映画鑑賞時に、威力を発揮する高性能スピーカーは、プライベート部分の側面に搭載した。スピーカーのボリュームツマミはその高性能さを表現する為に、ハイエンドのステレオのアナログ・ボリュームを彷彿させるデザインを採用した。

network scanner for FUJITSU / PFU (2009)

Frame

複数のPCLAN接続するビジネス専用のネットワーク・スキャナ。他のスキャナと異なり、PC側で操作する必要が無い(PC内蔵=本体タッチスクリーン上で操作が出来る)為、スキャンデータの共有と出力 (プリントアウト、メール送信)が本体上ワンプッシュ操作で簡単に出来る。他のモデルと異なり、タッチスクリーンがあるので、それを強調するよう周りにフレーム(額)をイメージしたデザイン処理を施した。design by Toshiki Satoji with Luigi Zanca

video projector for EPSON (2003)

新しい市場を作る

「 TVや映画を観るという使用方法のみだけでは、ホーム用プロジェクターは生き残ることが難しい 」そのことは、我々の調査の結果から理解出来た。(薄型TVの台頭)その理由により先ずは、プロジェクターを使った家庭内での新しい使用方法を探すことから始めることになった。すなわちそれは、我々のクライアントの為だけの新たな市場を生むことになるのだ。欧米では、自宅に多くの人達を招いて、ホームパーティーを催したり、自分達が過ごしたバカンスの写真のお披露目会をしたり、自分の贔屓のサッカーチームのゲームを仲間と観戦したりする機会が多い。つまり、人でいっぱいになった部屋の中で投影することになるのだ。ならば、 床や机上の上でプロジェクターを投影しては、 室内の人により投影画面が遮られることになる。またホームパーティー等で使用するのであるから、通常のプロジェクターのような形状をしていてはつまらない。結果、電球のように天井から吊るし、楽しさを外観上に表現した。ちなみに、”Fantasma”とはイタリア語で“お化け”のことを言う。design by Toshiki Satoji with Sandie Cheng

Catania's underground for FIREMA (1999)

「単調さ」を崩す

イタリア、カターニャ市の為の地下鉄車両の内装デザイン。従来の列車の一車両を思い浮かべてみると、どの部分も全高、 全幅とも同じであり、それが複数繋がって列車を形成しています。 つまり、単純に考えれば、列車というものは、まるで、 金太郎飴のようなものだと言えます。列車/金太郎飴は、どんなに複雑な形をしていても縦方向に断面を取れば、断面は全て同じなのです。 また、それを横方向から見るといくつかの平行な直線が存在するだけとなり、乗客にとっては本当に「退屈」なものとなっていました。結果、その原因となる「同じ断面の繰り返し」を壊す為に座席( 座席は乗客にとって、最も目につく車内の構成部品であり、窓やドアは安全規格上、形状を変更出来ない) の背もたれ部分を波形にし (上記の平行な直線の削除)、各断面の高さを変え、グラデーションをつけて「動き」を持たせました。それにより、この車内は画一的で退屈な金太郎飴ではなくなるわけです。さらに、座席のグラーデーションには、この地下鉄車両が走るシシリー島の青い海を、そして、天井には紺碧の空を思い浮かべました。design by Toshiki Satoji with Peter Solomon

instant movie player for EPSON (2005)

箸とナイフ&フォーク

スピーカー、DVDが搭載されたビギナー向けホームシアター専用のオールインワン・プロジェクター。 前機種は、 白を基調とし日本的な美を求めた。 スピーカー、 DVDゾーンとも本体と同色であり一体感を持たせた。しかし、 それは逆に、各機能を際立たせていないことにもなり、 一目見ただけでは、このプロジェクターが何を出来るのか解らないことにもなる。それでは、欧米市場で受け入れにくくなる。食事の風景を思い出して欲しい。日本で使われる箸はそれ一つで 「摘む」 「引き裂く」「突き刺す」などの多様な働きをする。それと異なり、欧米で使われるナイフ&フォークは個々が道具として、単一の機能しかなさない。 日本市場で受け入れられるマルチ・ファンクションの製品を欧米市場で売るには、 ナイフ&フォークのように 、個々の機能を一目見て理解出来る外形デザインにしなければならない。結果、我々は立方体の各面に機能を一つずつだけ配置し、ハイコントラストの配色をし、各機能を際立たせた。

helmet for NOLAN (1996)

「足かせ」と「自由」

ますます高性能化するオートバイ。 スピードの中、「安全」 と引き換えにライダーの装備はどんどん重くなっていく。彼等が求めていた「自由」とか「風」という言葉はどこに行ったのであろうか。「安全」でしかも「開放感」のあるヘルメットの開発はそこから始まった。design by Toshiki Satoji with Luca Gafolio

 

scanner for FUJITSU / PFU (2008)

Double face

前機種を見ると、スキャナーを使用していない (給紙/配紙トレイを畳んだ)状態をメインに外観デザインの開発を進めたと感じた。しかし、本製品のメイン・ターゲットがビジネス・ユースであることを考えると疑問が残る。もしかして、この製品を最も注意深く眺める機会は、スキャナーの使用時 (給紙/配紙トレイを広げた状態) であり、 書類のスキャンが終わることを待っている時ではないのだろうか?そのことを考慮し、新機種では、「使用時」の外観デザインにこそ力を注ぐべきだと判断した。つまり、使用していない時には、自らの存在感を消し去りオフィス内の他のOA機器と調和し紛れ込むような大人しい姿であり、そして使用時には、 内部の秘めた力 (高性能) を発揮するようなハイテク感/精度感ある外観形状を、すなわち、 クラーク・ケントとスーパーマンのようなこの「二つの顔」を新機種の外観デザイン上に具現化したものである。design by Toshiki Satoji with Luigi Zanca

mobile scanner for FUJITSU / PFU (2009)

Everywhere

宅配業者、保険外交員、セールスマンなどオフィス外でスキャナを使用する人達をターゲットとした モバイル・スキャナ。 また、 本機に搭載された「クラウド」を使用すれば、何処でもどのパソコンであろうともネット環境さえ整っていれば、スキャンしたデータをネット上に保存出来る。つまりそれは、 取引先の名刺をオフィス外でスキャンし、各国の見本市会場で発表されたばかりの競合他社の新製品カタログをスキャン出来ることになり、 山のように集められたカタログや重いパソコンを持ち歩く必要が無くなる。またその場で新しくまとまった契約書をスキャン / 保存し、 遠くにある本社に向けそれをすぐにメール送信することが可能になるのだ。design by Toshiki Satoji with Alvise Gangarossa

ADF scanner for FUJITSU / PFU (2008)

Brand

ScanSnapシリーズのエントリーモデルでS1500の弟分にあたるADFスキャナ。 ScanSnapシリーズという「ブランド」を構築すべく、 S1500のデザイン・コンセプトを踏襲した。我々が数多くのスキャナのデザイン開発に参加した理由は、デジタル化されることにより紙の使用が少なくなり、樹木の伐採が低減するよう願いを込めたからだ。design by Toshiki Satoji with Luigi Zanca

new type scanner for FUJITSU / PFU (2010)

Only one

『もっと簡単にいろいろなものをスキャンさせてあげたい!』そんな思いを込めた世界初スタンド型スキャナ。使用者はスキャン物を手前に置くだけで(原稿に触れない非接触型)これまでのドキュメントはもちろんのこと、凹凸のあるモノ、厚みのある本、新聞や雑誌の見開きなどの大判サイズの原稿、或は汚したくはない大切な思い出の絵やプリント写真も表面に触れることなく、裁断することもなく読み取ることが出来ます。スキャン後、デジタル化された高画質データはすぐにクラウド・サービスにより、PC、スマート・フォン、そしてタブレットに転送可能。本機は非接触型スキャナであり、厚みのある立体もスキャン可能な為、イタリアの博物館/美術館の古文書/古蔵書の正式スキャナに選定され、またチームラボのデジタルアートにも使用される。design by Toshiki Satoji with Alvise Gangarossa

mobile phone for Panasonic (2003)

不完全ゆえの美

ハイエンド・ユースの為の携帯端末デザインを依頼された。 そこで、今の世の中で本当に「価値あるモノとは何か?」を先ず深く考えることにした。工業デザインが生まれた当時、「価値ある」 ことは百万個の製品が同等の品質を持つことであった。しかし、現在は異なる。例えば、どんなに高価なモノを持っていたとしても、 それが大量生産品である限りは、 それと同じモノを他人も所有していることになる。さらに言えば、陶芸家の焼いた一つ一つ異なる歪な茶碗(不完全)が全く歪みの無い工場で生まれた茶碗(完全)とは比べられない程の価値を持つのだ。そこで、携帯端末と言う大量生産品の上に一品生産品のテイストを表現する為、部品を直にネジ留めし、さらに、一本一本が異なるヴィンテージ・ジーンズのように、美しい携帯端末表面をあえて酸で腐食させ、一つ一つ異なる「不完全ゆえの美」を表現した。それでこそ、唯一無二の真に価値あるモノとなるのだ。

video projector for EPSON (2003)

新しい市場を作る

「 TVや映画を観るという使用方法のみだけでは、ホーム用プロジェクターは生き残ることが難しい 」そのことは、我々の調査の結果から理解出来た。(薄型TVの台頭)その理由により先ずは、プロジェクターを使った家庭内での新しい使用方法を探すことから始めることになった。すなわちそれは、我々のクライアントの為だけの新たな市場を生むことになるのだ。欧米では、自宅に多くの人達を招いて、ホームパーティーを催したり、自分達が過ごしたバカンスの写真のお披露目会をしたり、自分の贔屓のサッカーチームのゲームを仲間と観戦したりする機会が多い。つまり、人でいっぱいになった部屋の中で投影することになるのだ。ならば、 床や机上の上でプロジェクターを投影しては、 室内の人により投影画面が遮られることになる。またホームパーティー等で使用するのであるから、通常のプロジェクターのような形状をしていてはつまらない。結果、電球のように天井から吊るし、楽しさを外観上に表現した。ちなみに、”Fantasma”とはイタリア語で“お化け”のことを言う。design by Toshiki Satoji with Sandie Cheng

USB flash drive for SOLID ALLIANCE (2006)

無駄なことの価値

「USBメモリに大切な思い出をずっと残しておけますか?」
USBメモリは主に誰かに写真やデーターを渡す時、 一時的に用いるだけで、すぐに消去する使い方をされています。安く、薄く、小さく、軽く、手軽なことが爆発的な販売数を生んだ理由であり、また、それ故、手荒に扱われているのも事実です。つまり、写真(思い出)も手荒に扱われているように感じます。人生には絶対に忘れられない思い出がいくつかあります。例えば、結婚式や子供の誕生です。その大切な思い出をすぐに消去するような使い方、或いは、 誰もが持っている樹脂製のチープなUSBメモリやCD/DVDの中に残したいのでしょうか?大事な思い出、どうでもいい思い出、思い出は決して均等ではない筈です。それが出発点となり、このデザインが生まれました。 本物の素材を使い、 高価であり、大きくて重く、使用が面倒であり、それ故、 丁寧に扱われるモノを目指したのです。 パズル型のUSBメモリ。 中心に納められたメモリ部は、キューブ型のパズルを崩さない限り取り出せません。 大切な思い出を保存したら組み直す、既存のUSBメモリの使用時の手軽さとは全く正反対の、この「手間暇掛ける行為」により、本当に大切な思い出の価値を表現しました。本提案は外観をデザインしたのではなく、行為をデザインしたと言えます。design by Toshiki Satoji with Katsuya Masaki

Catania's underground for FIREMA (1999)

「単調さ」を崩す

イタリア、カターニャ市の為の地下鉄車両の内装デザイン。従来の列車の一車両を思い浮かべてみると、どの部分も全高、 全幅とも同じであり、それが複数繋がって列車を形成しています。 つまり、単純に考えれば、列車というものは、まるで、 金太郎飴のようなものだと言えます。列車/金太郎飴は、どんなに複雑な形をしていても縦方向に断面を取れば、断面は全て同じなのです。 また、それを横方向から見るといくつかの平行な直線が存在するだけとなり、乗客にとっては本当に「退屈」なものとなっていました。結果、その原因となる「同じ断面の繰り返し」を壊す為に座席( 座席は乗客にとって、最も目につく車内の構成部品であり、窓やドアは安全規格上、形状を変更出来ない) の背もたれ部分を波形にし (上記の平行な直線の削除)、各断面の高さを変え、グラデーションをつけて「動き」を持たせました。それにより、この車内は画一的で退屈な金太郎飴ではなくなるわけです。さらに、座席のグラーデーションには、この地下鉄車両が走るシシリー島の青い海を、そして、天井には紺碧の空を思い浮かべました。design by Toshiki Satoji with Peter Solomon

scanner for FUJITSU / PFU (2008)

Icon

ScanSnapシリーズ・フラッグシップモデルのデザイン開発。
ビジネスシーンにおいて、 大量のスキャンを行うユーザーを対象としたADF (オートドキュメントフィーダー)スキャナ。 ADFスキャナとインクジェット・プリンターの外観は非常に良く似ている。そこで、ユーザーが一目見て、プリンターと差別化出来るスタイリングを求めることにした。プリンターはデータを紙上に「排出」し、スキャナは紙上のデータを「吸入」する。それを特徴化(アイコン化)しスタイリングすれば、プリンターの上面図は『凸型』すなわち、本体下部の排紙口が大きくなる。それと異なり、スキャナの上面図は『凹型』すなわち、 本体上部の給紙口が大きくなる。結果、 束になった書類を一瞬で飲み込むイメージを持つよう給紙口を大きく広げた。さらに、そのことを強調する為、給紙口部分に本体色とは正反対の黒色を用いたデザインを施し、プリンターとの差別化を図った。design by Toshiki Satoji with Alvise Gangarossa

instant movie player for EPSON (2005)

箸とナイフ&フォーク

スピーカー、DVDが搭載されたビギナー向けホームシアター専用のオールインワン・プロジェクター。 前機種は、 白を基調とし日本的な美を求めた。 スピーカー、 DVDゾーンとも本体と同色であり一体感を持たせた。しかし、 それは逆に、各機能を際立たせていないことにもなり、 一目見ただけでは、このプロジェクターが何を出来るのか解らないことにもなる。それでは、欧米市場で受け入れにくくなる。食事の風景を思い出して欲しい。日本で使われる箸はそれ一つで 「摘む」 「引き裂く」「突き刺す」などの多様な働きをする。それと異なり、欧米で使われるナイフ&フォークは個々が道具として、単一の機能しかなさない。 日本市場で受け入れられるマルチ・ファンクションの製品を欧米市場で売るには、 ナイフ&フォークのように 、個々の機能を一目見て理解出来る外形デザインにしなければならない。結果、我々は立方体の各面に機能を一つずつだけ配置し、ハイコントラストの配色をし、各機能を際立たせた。

computer for FUJITSU (2005)

カモフラージュ

仕事で長時間PCを使用していると、自宅ではなるべくPCを見たくはない。しかし、現在のPCは、何でも出来てしまう。例えば、音楽を聴く。映画やTVYoutubeなどの動画を見る。 メールやSkypeでコミュニケーションする。ネットでショッピングする。 つまり、PCはプライベートでも無くてはならない存在となってしまった。そこで本提案は、従来のPCと異なり、一目見ただけではPCとは解らないような新しいスタイルの創造を心掛けた。 (そうすれば、ユーザーにPCを使用しているというストレスを与えない) それはまるで、森の中で木の葉に成りすまし、そっと身を隠す虫と同様に、室内に深く溶け込み、他のモノに成りすますインテリア性の高いSide Table/PCの提案である。designed by Toshiki Satoji with Katsuya Masaki

helmet for NOLAN (1996)

「足かせ」と「自由」

ますます高性能化するオートバイ。 スピードの中、「安全」 と引き換えにライダーの装備はどんどん重くなっていく。彼等が求めていた「自由」とか「風」という言葉はどこに行ったのであろうか。「安全」でしかも「開放感」のあるヘルメットの開発はそこから始まった。design by Toshiki Satoji with Luca Gafolio

 

wifi mobile scanner for FUJITSU / PFU (2013)

Everywhere

世界最軽量のコンパクトボディーに内蔵バッテリーとWi-Fiを搭載し、パソコンはもちろんスマートフォンやタブレットにコードレスで接続出来る本格的なモバイルスキャナです。身の周りの書類、名刺、写真などを外出先やオフィスはもとより、リビングや書斎など様々な場所に持ち運んでクラウドサービス等を使用し自由に使うことが可能です。design by Toshiki Satoji with Takashi Kirimoto

scanner for FUJITSU / PFU (2008)

Double face

前機種を見ると、スキャナーを使用していない (給紙/配紙トレイを畳んだ)状態をメインに外観デザインの開発を進めたと感じた。しかし、本製品のメイン・ターゲットがビジネス・ユースであることを考えると疑問が残る。もしかして、この製品を最も注意深く眺める機会は、スキャナーの使用時 (給紙/配紙トレイを広げた状態) であり、 書類のスキャンが終わることを待っている時ではないのだろうか?そのことを考慮し、新機種では、「使用時」の外観デザインにこそ力を注ぐべきだと判断した。つまり、使用していない時には、自らの存在感を消し去りオフィス内の他のOA機器と調和し紛れ込むような大人しい姿であり、そして使用時には、 内部の秘めた力 (高性能) を発揮するようなハイテク感/精度感ある外観形状を、すなわち、 クラーク・ケントとスーパーマンのようなこの「二つの顔」を新機種の外観デザイン上に具現化したものである。design by Toshiki Satoji with Luigi Zanca

wifi scanner for FUJITSU / PFU (2011)

機械とデジタル

本機は前機種SnanSnap S1500のフルモデルチェンジであり、本体に内蔵されたWi-Fi接続機能により、スマートフォン/タブレットからスキャン物の読み取りが出来る。 本機にとってWi-Fi機能は大きな付加価値であり(業界初)それをどういう具合にデザイン上に取り入れるのかが最重要課題と考えた。例えば、映画「ターミネーター」を思い出して欲しい。第一作目では筋骨隆々のターミネーターが主人公に襲いかかる。第二作目では一作目で敵であった筋骨隆々のターミネーターが主人公の味方となり、新型ターミネーターと戦うというストーリーだ。その中で新型は線が細いにもかかわらず、筋骨隆々の旧型より圧倒的に強い(性能が高い)その姿はまるで、機械的なブルドーザーと進化したデジタル的なモノとの戦いのように感じた。それがヒントとなり、旧型で機械的なScanSnap S1500と異なり、圧倒的に性能が向上した新型ScanSnap iX500の操作面にはデジタル風な要素を取り入れることにした。 また、本体色のブラックは我々の調査の結果によるものであり、本機が使用されるであろうオフィス内/家庭内共々、前機種の年代とは異なり、色の濃い製品カラーのモノが溢れてきたことによる。前機種のコンセプト同様、本機をその中に紛れ込ませる(カモフラージュする)ことを目的とした。design by Toshiki Satoji with Alvise Gangarossa

mobile scanner for FUJITSU / PFU (2009)

Everywhere

宅配業者、保険外交員、セールスマンなどオフィス外でスキャナを使用する人達をターゲットとした モバイル・スキャナ。 また、 本機に搭載された「クラウド」を使用すれば、何処でもどのパソコンであろうともネット環境さえ整っていれば、スキャンしたデータをネット上に保存出来る。つまりそれは、 取引先の名刺をオフィス外でスキャンし、各国の見本市会場で発表されたばかりの競合他社の新製品カタログをスキャン出来ることになり、 山のように集められたカタログや重いパソコンを持ち歩く必要が無くなる。またその場で新しくまとまった契約書をスキャン / 保存し、 遠くにある本社に向けそれをすぐにメール送信することが可能になるのだ。design by Toshiki Satoji with Alvise Gangarossa

soho projector for EPSON (2004)

使用書を本体に

小規模オフィスで、さらには、自宅に持ち帰って使用する日本人をターゲットとしたSOHO用のビデオ・プロジェクター( DVD、スピーカー搭載 )。仕事のプレゼンテーション風景、そして、自宅でのDVD使用(映画鑑賞)状況を調査した結果、 仕事では、プレゼンテーションを行う人間はプロジェクターの側面に座り、接続したPCを操作し、 プレゼンテーションを見る人間は投影画面が正面に来るように、 つまり、プロジェクターの背面に座ることが殆どだということが解った。自宅ではと言うと、仕事の際のプレゼンテーションを見る人間と同位置でソファに座り映画を観るという結果が得られた。本提案では、その調査結果の内容を外観形状上に忠実に表現することに努めた。先ずは、本体の上面部分を45度の直線を使い二つに分けた。 その二つに分けた部分に、仕事で頻繁に使うインターフェースとプライベートで良く使うインターフェースを明確に分けて配置したのだ。そして、プライベートの映画鑑賞時に、威力を発揮する高性能スピーカーは、プライベート部分の側面に搭載した。スピーカーのボリュームツマミはその高性能さを表現する為に、ハイエンドのステレオのアナログ・ボリュームを彷彿させるデザインを採用した。

ADF scanner for FUJITSU / PFU (2008)

Brand

ScanSnapシリーズのエントリーモデルでS1500の弟分にあたるADFスキャナ。 ScanSnapシリーズという「ブランド」を構築すべく、 S1500のデザイン・コンセプトを踏襲した。我々が数多くのスキャナのデザイン開発に参加した理由は、デジタル化されることにより紙の使用が少なくなり、樹木の伐採が低減するよう願いを込めたからだ。design by Toshiki Satoji with Luigi Zanca

network scanner for FUJITSU / PFU (2009)

Frame

複数のPCLAN接続するビジネス専用のネットワーク・スキャナ。他のスキャナと異なり、PC側で操作する必要が無い(PC内蔵=本体タッチスクリーン上で操作が出来る)為、スキャンデータの共有と出力 (プリントアウト、メール送信)が本体上ワンプッシュ操作で簡単に出来る。他のモデルと異なり、タッチスクリーンがあるので、それを強調するよう周りにフレーム(額)をイメージしたデザイン処理を施した。design by Toshiki Satoji with Luigi Zanca

new type scanner for FUJITSU / PFU (2010)

Only one

『もっと簡単にいろいろなものをスキャンさせてあげたい!』そんな思いを込めた世界初スタンド型スキャナ。使用者はスキャン物を手前に置くだけで(原稿に触れない非接触型)これまでのドキュメントはもちろんのこと、凹凸のあるモノ、厚みのある本、新聞や雑誌の見開きなどの大判サイズの原稿、或は汚したくはない大切な思い出の絵やプリント写真も表面に触れることなく、裁断することもなく読み取ることが出来ます。スキャン後、デジタル化された高画質データはすぐにクラウド・サービスにより、PC、スマート・フォン、そしてタブレットに転送可能。本機は非接触型スキャナであり、厚みのある立体もスキャン可能な為、イタリアの博物館/美術館の古文書/古蔵書の正式スキャナに選定され、またチームラボのデジタルアートにも使用される。design by Toshiki Satoji with Alvise Gangarossa